幼少のみぎりに生き別れた父親を理想化し、朋美は誇らしく思っていた。ところが母親が選挙に出た際に「夫は北朝鮮の工作員ではないか」と報道され、朋美は衝撃を受ける。父親はいったい何者なのか―。母子二代、血をめぐる魂の彷徨を描く、感動の物語。

1964年の東京五輪。
「戦後復興の象徴」「日本がひとつになったイベント」という”時代”だという見方が一般的でしょう。

しかし、この小説には「(ある事情で)気を遣い合いながらテレビを見ていた」「オリンピックどころではない状況だった」人々の”時代”が映し出されています。

時代とは、物語の共有であり、集積でもある。来年の東京五輪は、果たしてどんな”時代”になるでしょうか。
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36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが...。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

「皆が不思議がる部分を、自分の人生から消去していく。それが治るということなのかもしれない。」 心に響いた一節。「普通」とは違う生き方で足りている主人公。彼女に「普通」であってほしいと願う(無意識に強いる)周囲の人たち。 本書は知らないうちに多くの人が従っている掟「普通」の存在を浮き彫りにし、まるで眼科の診察時にあまりに近すぎて普段意識して見ることのない瞼の裏側に光を当てられた時のような不慣れな居心地の悪さを体験できる実に稀有で「気持ち悪い」小説だ。 主題歌は坂本慎太郎『まともがわからない』。まとも、とは?

ブログも書いています。
「僕たちがとらわれている「普通」について(村田沙耶香『コンビニ人間』感想文)」
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おいしいものを食べているときと、いとしいセックスをしているとき、女は一番幸せになれる。台所で立ったまま生玉子かけごはんをすする自由。深夜のラーメン屋で相席になった男とのラブアフェア。恋人の裏切りを知った後に食べるチーズの官能。逝ってしまった大切な人たちを想いつつ縁先で傾ける日本酒と肴。味覚と心を研ぎ澄まし、人生の酸いも甘いも楽しむ女たちを祝福する、美味なる短編集。

二つの「本能」を巡るミステリーツアー。

なぜ「この味」でなければダメ?なぜ「あの人」を忘れられない?生きるセンスは謎だらけ。
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はやてがあやめさんと出会ったみたいに、人と本だってとってもすてきで、すごく大切な出会いをすることがあるの。“駒子シリーズ”のヒロイン入江駒子の愛読書がすてきな絵本になりました。

とても面白かった本です。表紙も好きです。いろんな曲考えたら、この曲がいいなあ、となりました
(*´∀`)
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体育館の二階。ここが私たちのお決まりの場所だ。今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。ここで、私としまむらは友達になった。好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり。友情なんてものを育んだ。頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。なんだろうこの気持ち。昨日、しまむらとキスをする夢を見た。別に私はそういうあれじゃないのだ。しまむらだってきっと違う。念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。ただ,しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。ただ、それだけ。日常を過ごす、女子高生な私としまむら。その関係が、少しだけ変わる日。

人や物にあまり興味を示さないしまむら、そんな彼女に戸惑いながらも惹かれる安達。これは少女の淡い想いを描いた物語。
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仮想リゾート“数値海岸”の一区画“夏の区界”。南欧の港町を模したそこでは、ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。だが、それは突如として終焉のときを迎える。謎の存在“蜘蛛”の大群が、街のすべてを無化しはじめたのだ。わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦が幕を開ける―仮想と現実の闘争を描く『廃園の天使』シリーズ第1作。

蜘蛛=使徒で、選ばせていただきました。
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藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

常に満たされず「SF(少し、不足)」な主人公と、"素数の様に割り切れない"曲の心情に通じるものを感じた。
素直になれず、人を見下して、怖がって。これは、そんな心が傷付き、SF(少し、復活)する物語。
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血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

親達の優子ちゃんへの気持ち、特に血の繋がりのない最後の親 森宮さんの強い愛を表現しているなと。
"下手くそでも不器用でも君を想う気持ちは誰にも負けない"
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他人だから、恋がはじまる。東京のド真ん中「日比谷公園」を舞台に、男と女の“今”をリアルに描いた最高傑作!芥川賞受賞作。

本作品に描かれている日常は、まったく何もおこりません。心の闇とか、懊悩とかに慣れきってしまうと、何もないことがやけに新鮮に思えてしまいます。何もないのにつまらなくない。本作品は、この心地良さが素晴らしいです。
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「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

告白を読んだ後のスッとしない気持ちと、女王蜂のQを聴いたあとに心が沈む感じ。
紅茶を飲んでいて、最期の一口に溶け残った砂糖がジャリジャリと口の中で邪魔になるときを思い出した。
修哉が母親を想う、まっすぐでわがままな気持ちがこの曲とリンクしてしまって遣る瀬無くなる。
何をされても子は親を選べない。どんな親であろうと代わりは効かない。
殴られようが、去られようが、修哉にとって母ひ大好きな母なのだ。
最後のフレーズが〈母さん譲りの泣き顔が鏡の中で佇んでる〉砂糖のように溶け残る。
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死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語

フカクフカク。記号のように、何度も花が答える。
何かの暗号のように、妖艶で、秘密めいた響きがそこにはある。

死んだ人間を悼むことと、永遠に醒めない夢を見続けることは、よく似ている。
それが誰かのためになることなのか、本人にすら分からない。

内臓を色とりどりの花に彩られ、白い魚から丸い石になって転生しながら、主人公は死んだ女を回想しつづける。

弔いはエゴイズムなのか。自己愛を癒す為のひとつの手段に過ぎぬのか。

死者との距離の取り方。自分が経験した出来事を物語るということ。
生者が死者からの呪縛から解放され、己の物語を語れるようになった時、真の意味で死者は弔われるのだろう。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

ぐちゃぐちゃスプラッターなホラーです。すごく驚くしかけがありますよ。怖い曲がいいと思いました。
( ;∀;)
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〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か? そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか? 同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?

物語の重要な鍵を握る曲ダニーボーイ。終盤この曲を聴きながら読み返したらあまりの美しさに鳥肌が立ち涙腺が緩んだ。
この小説は自分の人生観を変えてくれた。少なくとも「世界の終わり」が存在することを教えてくれた。もう一つ、自分が住める世界があるというだけでも随分と救われる。
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中学2年生の陽子と1つ歳下の弟リン。両親が仕事で忙しく、いつも2人で自己流の遊びを生み出してきた。新しく見つけたとっておきの遊びは、真夜中に近所の家に忍び込んで屋根にのぼること。リンと同じ陸上部の七瀬さんも加わり、ある夜3人で屋根にいたところ、クラスのいじめられっ子、キオスクにその様子を見られてしまう...。第33回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞の青春物語。

読んだあと、聴いたあと、大切な仲間のことを思い浮かべる。
本の中の陽子ちゃんたちみたいに、真夜中、屋根に登ってこの曲を聴いてたいなと思った。
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この本のあらすじは準備中です。Amazonで読むこともできます。

泥くさい、汗くさい感じ。映像化するならこれしか浮かばない。
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「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!

Take a look at the Lawman. Beating up the wrong guy(ほら 警官がお門違いの人をやっつけてる)の歌詞が正に小説の通り
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狂人か、天才か―34歳で世界をかき回す“巧みな交渉術”のルーツ。ベストセラー『父・金正日と私金正男独占告白』の著者が20年以上の朝鮮半島取材を通して描く決定版。

麻原がもっと早く、金正恩の名がマスコミに現れる前に処刑されていたら、麻原は実は死なずに北へ渡り金正恩となった、というカルト神話が生まれていたかも⁉︎
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そんな考え方もあるかもしれないですね!
選曲も素敵です!
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富士山を望む町で介護士として働く、かつて恋人同士だった日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピングモールに出掛けることだけが息抜きの日奈の家に、東京に住む宮澤が庭の草刈りに通ってくるようになる。生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れないまま、同僚の畑中との仲を深め、家族を支えるために町に縛りつけられていくが...。読むほどに打ちのめされる!忘れられない恋愛小説。

ありきたりな電飾に染まる、地方都市のショッピングモールが思い浮かんだ。
希望が痩せていく日々の果て、人はどこに手を伸ばすのだろう。
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ロボットという言葉はこの戯曲で生まれて世界中に広まった。舞台は人造人間の製造販売を一手にまかなっている工場。人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが団結して反乱を起こし、人類抹殺を開始する。機械文明の発達がはたして人間に幸福をもたらすか否かを問うたチャペックの予言的作品。

「非生産性こそ、ヘレナ夫人、人間に残された最後の可能性になりつつあるのです。」
アルクビストの言葉こそが真実。滅亡と創世……世界よ!
「それはふたたび愛から始まり、裸のちっぽけなものから始まる。それは砂漠に根を下ろし、われわれが作り、建てたものは役に立たない。町や工場、われわれの芸術、われわれの思想は生命には何の役にも立たない。それなのに生命は亡びないのだ。ただわれわれだけが亡んだのだ。」
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ミクロな世界とマクロな世界。見たこともない小さな量子世界が壮大なスケールの危機を生み出すことになる。
科学や物理、情報技術の知識がふんだんに使われ、素人の自分は説得されてしまい「あり得るかもしれない世界」に連れて行かれる。社会的背景や思想の観点からも主要人物たちの行動原理に厚みを付加する。
今世界中のSF界を席巻する本作は紛れもなく三体世界の人々が共にする孤独と退屈を紛らわす一品となるであろう。
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